ストレスチェック制度の実施において、高ストレス者の選定基準に関して具体的な数値というのはマニュアルに基づくものがあります。制度実施マニュアルには、職業性ストレス簡易調査票を使用した2.5万人のデータから、57項目およびその簡略版23項目に関して、高ストレス者が10パーセントとなるようにする場合の具体的な数値基準の例が示されています。ただし、各事業場における数値基準は衛生委員会などで調査審議のうえで、事業場ごとに決める必要があり、一律に目安を示すものではないということを理解しておくことが大事です。また、セルフケアの重要性の周知は、高ストレス者以外にも行うようにします。

ストレスチェック制度の目的は高ストレス者をあぶりだすことではなく、すべての労働者のメンタルヘルスへの意識を高めることです。このストレスチェック制度を、労働者に元気に働いてもらうためのきっかけとすることが大事になります。そして、面接指導を受けることは強制できません。もしかすると社員はすでに、個人的に精神科などに通っているケースや会社に結果を知られたくない場合もあるからです。

そのような場合には、この制度における面接指導にこだわらず、通常の産業保健活動としての相談を受けられる場所を用意し、その存在を知らせるような工夫をすることが大事になります。加えて、結果の同意に関しては、同意する旨を、書面または電磁的記録の残る形で取り付けることが義務付けられているため、同意しない旨の申し出がないからと言って勝手に同意したとみなすのは違反なので注意します。